Aska Temple

All about John Ubel and Aska Temple

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鉄格子の中の女

「なんで私こんな処に入れられやんなあかんのオ~

死にたいって言っただけやんか~」

「あのう  お水くださいませんか?」

「私庄司よ、ゆうば君にお水入れてあげて」

私は精神病院の保護室が好きだ。

此処は鉄格子の中なのだが、

私にとっては、核シェルターのような安心した気分になる、

一生原書でも読んでいたい場所だ。


「池田先生~」


精神病院でも状態の悪い患者ばかりが入っている鉄格子の中

精神科医に死にたいと言って処置されている女。

男女同棟の病室で危うく性行為に至る行動をして保護されている女

頭髪を暑いからと頭蓋の下半分をバリカンで剃って、長髪で隠しみっともないからと

保護室に籠もる女。


流行遅れのユーロビートをイヤホンで聴く、包茎手術を受けたばかりの男

この男の瞳はケイトブッシュの少年の瞳を持った男を想い起こさせる。

気狂いは精薄に似ている。カウンセラーやソーシャルワーカーや看護婦長ばかりを

追いかけるその男は福祉職員と患者は付き合えない事を知らない。


精神病院でよく見かけるのは自衛隊退職者と創価学会員である。

或る自衛隊退職者は保護室で食事を与えられず、

少年雑誌のグラビアで一日中自慰行為に耽っていた。

遂に発狂し頭を鉄格子にぶつけて「死んだろか~?」

叫び、外泊の許可を取った。

脳の手術で言語障害を持った元自衛隊員はタバコを吸う金がなく

女物の財布から5円玉を職員に見せている。


ロボトミー手術の跡のある人は鉄格子に良く入っている。気狂いというより精薄だ。

そういう精薄の中で、DAS KAPITALの原書や聖書の英字対訳本を読んだ私にとって

こんな愉快な場所はなかった。


月の裏側とでも呼ぼうか。。

愛すべき核シェルター。。。保護室

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