Aska Temple

All about John Ubel and Aska Temple

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或る花摘みの話

或る日、セフの肩越しにセフの本を覗く少女がいた。
その少女がセフの肩に触れた時、

セフは驚いて少女を見た。
でもまたすぐ本を読みはじめた。

少女はセフの髪にそっとキスした。
風のようにスカートをひらひらさせながら、踊り始めた。

セフは本を読むのに夢中で、少女の事などお構いなし。
少女は一人で踊る。

少女は踊りながら百合の花を折って、セフの前に差し出した。
「百合って、何か分かる?」

少女はセフをどうにか振り向かせようとする。
一緒に踊ってくれませんか?と声をかけた。

セフは傍らに置いてあったギターを弾き、少女を踊らせた。
「ダンスは踊れないんだ」

一人で踊り疲れた時、少女はその時の淋しさを思ってなきだしそうになった。

「君のためにアルハンブラの思い出を弾いてあげるよ」
セフは、少女を慰めるためにギターを弾き始めた。

ギターを弾いているとき、耳を傾けて。何もかも忘れられたらいいな、と思った。

花畑には、百合や薔薇やヒヤシンスが咲き乱れていた。
少女はその花々を摘んでは、長い髪の飾りにし始めた。

少女は、花が美しいと思った事は、一度もない。
長い髪はそれだけで、いつも輝いていると、少女は思う。

少女は、自分の髪に飾った薔薇をセフの巻き毛につけた。
そして、再びセフの髪にキスした。

セフと少女はキスをしていた。
髪につけた薔薇は、大きく開いて、
葉っぱは、するするのびた。

弓場宗治 松井美穂

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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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