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Aska Temple

All about John Ubel and Aska Temple

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或 る レ コ ー ド 屋 さ ん の 死

東京でLIVEをやってほしい、と言われたのは、或る春の狂いそうに花の芽が咲く日だった。

 もちろん、こんな季節に東京なんか行ったら、それこそ一生出てこれない精神病院に入れられる。

 僕は断った。

 メンバーから再度催促。

 無理矢理、法政大学の学生会館まで連れて行かれる。

 金券ショップで買った切符が、のぞみ では使えない。お金が減っていく。

 ライヴではギターアンプのPAが下げられる。バカヤロー!だから東京なんか行きたくなかったんだ。セイガクなんかPAに使いやがって!

 ローディーを蹴倒して、京都駅まで帰る。母が、ギャラは?ときつく聞く。払って貰えなかった、とは言えないので。ライヴを企画したレコード屋の店長にギャラ(交通費)を工面して貰った。


 二週間経って、そのレコード屋の店長は、マンションの家賃を払えなくて岡山の実家に帰った。

 その一ヵ月後、彼はノイローゼになり、原付きをノーヘルで暴走して電柱に頭を強打して自殺した。


 葬式には、行けなかった。

 どんな顔(ツラ)して行けというのだろう。


 間違いなく、

 彼がマンションの家賃を払えなかったのは、

 母が催促した東京までの

 グリーン車の往復の交通費のせいだった。


 だから、僕は東京でLIVEをしない。

 呪われているから。

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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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